「宿決めの流儀」自分流・鉄道旅行のノウハウ②
旅には欠かせないであろう宿泊地。よくTVでは豪華な料理と風情豊かな景色の見える部屋が連日のように紹介されているものと思います。私もTVをぼんやり眺めては「いいなぁ…!」と涎を垂らしながら(?)見ています。
が、鉄ちゃんのこだわり貧乏鉄道旅とは無縁。鉄道旅では豪華な料理も景色も宿では求めません。なぜなら、豪華な料理は駅弁やたまたま寄った店で満喫し、豊かな景色はローカル線の車窓から望むことができるからです。
また貴重な一日を始発から終電近くまで目いっぱい使うため、宿で過ごす時間が短いのも大きな要因です。雨風をしのげればそれでいいのです。そこではいかに安く、かつゆっくり休めるかがポイントになります。
ただし両者の関係はトレート・オフにあるものです。安すぎるとまともに休めず、かといって毎回高い場所だと費用が嵩みます。その落としどころをどうつけるか、自分のお財布と体力と相談しながら決めましょう。
今回はビジネスホテルからマンガ喫茶まで、4+1種類紹介しています。なお寝台特急や長距離夜行バスは今回は扱っていません。
①ビジネスホテル(一泊素泊まり:4500円~7000円)
王道です。よほどの貧乏旅でない限り、基本的にはこれを使うことをお勧めします。私はよく東横インやホテルαー1を利用しています。
メリット デメリット
○大きなベッドでゆっくり休める ×料金は後述の施設と比べて高い
○個室であり、セキュリティ万全 ×土曜日や繁忙期は満席が多い
○各サービスが充実 ×そのため1週間前からの予約が必要
○駅からのアクセスが良好な場合が多い
○空調等を設定できるので快適
②カプセルホテル(一泊3000円程度)
ビジネスホテルは一人にとって広すぎる!と言う場合はカプセルホテルで宿代を節約することができます。辛うじて個室であること、睡眠をとることを想定したつくりであることから、ビジホほどではありませんが、それなりに疲労を飛ばすことができます。
セキュリティ面では個人ロッカーが割り当てられるので悪くはないですが、ビジホと比べると…になります。少なくとも個室のカプセル部分には貴重品を置かない方が賢明です。総じて「値段の安いビジネスホテル」と割り切った方が良さそうです。
メリット デメリット
○値段はビジホと比べて安価 ×ビジホほど疲労を飛ばせない
○横になれる分それなりに休める ×閉塞感ある個室
○一応個室で最低限のプライバシー有り ×ロッカーに荷物を預ける分やや不便
○駅から近くアクセスが良い ×プライバシーはあくまで「最低限」
○気軽に予約可能、当日でも余裕
③インターネットカフェ・漫画喫茶(一泊2000円以下)
基本的にはおすすめしません。あまり寝ることを想定していないため、個室は狭く、床は固く、空調は設定できず(しかも強めに空調を効かせることが多い)、シャワールームの利用も制限があり、いびきは筒抜け。環境としては「路上でごろ寝よりマシ」程度のため、最悪体調を崩す恐れがあります。
が、ネットカフェの魅力と言えば「破格の安さ」と「予約不要」の2点。宿が上手く見つからなかった場合、ここに逃げ込めば何とか雨風を凌ぐことができます。体力自慢の人なら案外いけるかも。あとネットが快適にできます。情報収集を道中きちんとやりたいならありかもしれません。
メリット デメリット
○破格の安さ ×とにかく寝にくく、疲労は飛ばない
○予約不要のため飛び込みやすい ×空調がガンガン効いている場合がある
○暇つぶしには最適? ×個室の壁が薄くいびきが聞こえる
○都市に多くアクセスは良い ×シャワールームの利用がしにくい
×環境が悪いため体調を崩す恐れがある
×セキュリティには気をつけなければならない
④24時間営業の健康ランド(一泊2000円以下~)
駅付近にあること自体が珍しいですが、一応掲載します。
健康ランドでは個室と「仮眠スペース」があります。前者はビジネスホテル並みですが、ここでは後者の仮眠スペースを利用した場合について解説します。
場所によっても違うと思いますが、仮眠スペースとは180度リクライニングチェアが何十台も連なっている大きなスペースを指します。180度チェアでどう寝るのか?という話ですが、最大限倒したものを小さなベッド代わりに用いて寝れます。タオルケット付属で、アイマスクもあるかもしれません。隣人との壁は一切ないため、おじさんのいびきがダイレクトに伝わって来るのが致命的なポイント。慣れてない人は耳栓必須です。(私は父のいびきの響く部屋で十何年も過ごしたおかげで大丈夫でした)
仮眠スペースを使用する際はくれぐれも騒音に注意しましょう。目覚ましと使いたい場合は、最小音+バイブ機能にし、手に持ちながら寝ると効果的です。
さて健康ランドの最大の魅力は充実した浴場にあります。様々のタイプの湯舟が一通り揃っているため、ゆっくり風呂に浸かりたい方や風呂を満喫したい方におすすめです。もしかしたら観光地の温泉より楽しいかも・・・?
メリット デメリット
○充実した浴場 ×仮眠スペースにプライバシー無し
○個室ならビジホ並み ×十分には寝れない、浴場で疲労取るべし
○漫喫なみの料金の安さ ×いびきは覚悟すべき
×セキュリティに気をつける必要
×空調のコントロールは当然不可
×駅から遠い場合がほとんど
※友人の家(0円)
もし旅先で友人の家があれば、事前に断ったうえで上がり込むのも一つの手です。何せん0円!素晴らしい友情パワー(?)です。
が、忘れてはならないのが「親しき中にも礼儀あり」。あくまで善意で泊めてもらっていることを自覚し、決して礼を失することのないようにしています。余計な迷惑をかけると縁を切られるかもしれません。
また必須というべきなのがお土産。せっかく泊めてもらっている以上、宿代代わりにいいものを渡すと喜ばれます。土産話も忘れずに。ぜひ友情を深めるよう心がけましょう。
実際どう使ったか?実例紹介
先ほど「疲労が取れにくいけど安い場所か、ゆっくり休めるが高い場所か、財布や体力と相談して落としどころをつける」必要があると述べました。そこで現在絶賛執筆中の2016年夏の四国旅行を例に、挙げてみます。
第一日目(岡山)→ 駅前カプセルホテル(3000円)
第二日目(多度津)→ 駅前のインターネットカフェ(1600円?)
第三日目(阿波池田)→ 駅付近のビジネスホテル(5000円)
第四日目(某所)→ 友人の家(0円+おみや代1000円)
ポイントは体力。私自身特別なバイタリティがあるわけではないので、あまり無理をし過ぎず、かつそれなりに安価に抑えながら宿を決めています。
まず体力に余裕がある第一日目・第二日目はカプセルホテルとネットカフェを利用しました。が、ネカフェのあまりの居心地の悪さに疲労が溜まったままだったため、その次はビジネスホテルでゆっくり寝ています。
あまりネカフェ等を連投させると体調を崩す恐れがあります。適度にビジホを挟むことで、疲労が溜まり過ぎないようにしています。あとこのうち数日前に事前予約をしたのが第二日目以外になります。ビジホは満室のリスクが高く、カプセルホテルも念のため予約、友人の家は言わずもがな。
基本的には事前予約をおすすめします。道中トラブル等で予約していた宿に到達することが困難になった場合は、その旨を早めに連絡しておきましょう。
むすび
宿決めも計画に深く関わるものです。できれば数日前から予約を取った方が確実です。またどの宿泊形態をとるかも戦略に影響を及ぼすものです。宿選びはくれぐれも慎重に、無理のないようにしましょう。